とある会話の中で「グラフィックデザインで商売になるんですか?」というあまりにストレートな質問をされました。
デザインを生業としている私にとっては少々カチンとくる言葉ではありましたが、冷静に考えると、当然の考え方なのかもしれません。高性能のPCやプリンタが各家庭に普及した今、グラフィック作成ソフトさえあればそれなりの「形」を作ることが可能なわけです。
しかし、私たちプロのデザイナーは、そうはいきません。最終的な成果物は、「形」として見えるデザインが2割、その奥の「目に見えないデザイン」が8割存在していると考えています。

 

デザインを依頼されるお客様は、当然各々の目的があり、それを達成するためのデザインを求めていらっしゃるわけです。
例えば「文字だけの看板」ひとつにしても、単に「案内するため」だけではなく、「どのような状況」で「どのようなターゲットに」「どう感じてもらって」案内するのか。様々な条件を絡めた上で、大きさや配置、色使い等数々の要素に変化が加わっていきます。

私たちは、見た目の良し悪しだけではなく、表面に隠された、その奥の見えないデザインを象るのに思考を凝らします。その上で、目的を達成するのに適した表現を施していくのです。
目に見えないデザインは、なくなることはありません。そういった意味では、デザインとは手段であり、プロセスの一部と言えるのかもしれません。

 

今やグラフィックデザインの世界では、紙だけではなく、Webや電子書籍、デジタルサイネージなど、時代の変化とともに次々と新しいアウトプットが登場し続けています。その流れを汲み、デザインが吐き出す可能性はますます広がっているのです。
先に記したように、一般的に「グラフィックデザインの衰退」をよく耳にするのですが、むしろ過渡期・進化のタイミングだと考えています。
アナログ的な思考とアイデアを持ち、最新の技術を模索するなかで、より効果的なソリューションビジネスとして次の領域に達することができれば、と考えています。
お客様は、お客様であると同時に、同志でもあります。お互いに知恵を出し合い、目的に応じた最良のものを作り上げていくお手伝いができれば幸いです。

 

 

ライズデザイン 代表取締役 寺本圭吾
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